地位確認請求事件(通称 日本アイ・ビー・エム会社分割)
会社分割によりハードディスク事業の新会社へ移籍させられた労働者らが、会社分割の手続違反や権利濫用などを主張して、元の会社における労働契約上の地位の確認と慰謝料を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
労働者らは、会社分割の手続に違法があり、承継拒否権(新しい会社への移籍を拒む権利)を行使したため労働契約は承継されないと主張。また、会社分割は権利濫用や脱法行為(法律の趣旨を潜脱する行為)にあたるとして、慰謝料各300万円を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、旧商法(会社法改正前の商法)や労働契約承継法に従って適法に会社分割を行い、必要な労働者の理解協力措置や協議も尽くしたと反論。会社分割の効果として労働契約は新会社に当然承継されたため、原告らの請求は認められないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、会社側が法律に基づく事前説明や労働組合等との協議(5条協議や7条措置)を一定程度行っており、分割を無効とするほどの違法な瑕疵(欠点)は認められないと判断。また、労働者に分割会社への残留を認める承継拒否権はなく、会社分割自体も権利濫用や脱法行為にはあたらないとして、原告らの請求をいずれも棄却した。
この事件だけの事情
会社分割に伴う労働契約の包括承継や労働者との協議・手続の適法性が争われた代表的な裁判例の一つ。
結論
被告(会社側)の言い分が全面的に通り、原告(労働者側)の請求はすべて棄却されました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2007-05-29 |
|---|---|
| 裁判所 | 横浜地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成15(ワ)1833 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索