賃金請求事件(通称 学校法人明泉学園教諭就業規則変更)
学校で働く教師らが、学校側が勝手に行った給料の引き下げや手当の削減、昇給の停止などは無効だと主張し、過去に遡って未払い賃金の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
学校側の給与規程の変更により、調整手当の削減、基本給の引き下げ、定期昇給の廃止、さらには手当の支給を理事長の裁量にする変更などを次々と行われた。これらは労働条件の不利益変更(労働者に不利益な労働条件の変更)にあたり無効であるとして、本来支払われるべき賃金の差額を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
生徒数の減少やそれにともなう財務状況の悪化、今後の校舎建て替え費用などの必要性から、人件費の抑制が不可欠であったと主張。調整手当の削減や基本給の引き下げなどは、経営を維持するための高度の必要性に基づいた合理的なものであり、適法であるとして原告らの請求を退けるよう求めた。
裁判所の判断
裁判所は、学校側の財政状況が直ちに人件費を削減しなければならないほど悪化していたとは認められないと判断した。また、就業規則(職場のルール)の変更や昇給の停止は、労働者が被る不利益の大きさに比べて高度の必要性や合理性が認められず、有効には成立しないとした。さらに、労働条件の変更について適正な周知が行われていない点なども指摘し、変更は無効であると結論づけた。
この事件だけの事情
10人の原告に対し、それぞれ平成14年8月以降の複数の期間における基本給や調整手当の差額が個別に計算され、総額1,474万3,103円の支払いが命じられている。
結論
原告らの主張が全面的に認められ、学校側に対し未払い賃金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2007-05-24 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成16(ワ)1959 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索