未払賃金請求控訴事件(通称 社会福祉法人栄光福祉会賃金請求)
福祉施設を運営する会社が、給与の改定で特殊業務手当などを全廃して賃金を減額したことについて、職員らが合理的な理由がなく無効だと主張して、減額分の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
福祉施設で働く職員らが、会社側が給与規程を一方的に改定して手当を全廃し、平均で月額約2万4400円(約10%)もの大幅な減給を行ったことは、生活への打撃が大きく、合理的な理由がないため無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、支援費制度の導入による自由競争への移行や経営環境の変化に対応する必要があり、手当の廃止は人事院勧告の趣旨にも沿うもので、やむを得ない事由に基づく合理的な改定であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、制度改革に伴う設備投資を行っているものの、財務や運営状況が直ちに悪化していたとは認められず、会社側が給与の手当を廃止するほどの必要性や合理性があったとはいえないと判断した。また、職員への説明や協議が十分に尽くされていないことなどから、労働条件の不利益変更は無効であると結論づけた。
この事件だけの事情
複数の職員が請求額の拡張を行い、平成15年から平成18年1月分までの未払賃金の支払いが命じられている。
結論
職員側の主張が認められ、減額された賃金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-05-18 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成17(ネ)806等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索