地位確認等請求事件(通称 新国立劇場合唱団員出演基本契約更新拒絶)
新国立劇場の合唱団員だった原告が、出演基本契約の更新を拒絶されたことは無効であり、自分は労働者であるとして、労働契約上の地位確認と賃金の支払を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告は、自分は時間や場所の拘束を受け、業務の指揮命令下にあったため、労働基準法上の「労働者」にあたると主張。そのため、契約の更新拒絶は客観的な合理性を欠いて無効であり、さらに労働組合活動を嫌悪した不当労働行為にあたると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
被告は、合唱団員は集団的舞台芸術の特性上、演出方針に従うものであり、労働者ではないと反論。個別公演ごとに契約の諾否の自由があり、専属性もなく、報酬も労務の対価ではないため、今回の再契約拒絶は適法であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、合唱団員には個別公演に対する諾否の自由があり、指揮監督や時間的・場所的拘束はオペラという芸術の性質から必然的に生じるものと判断。代替性のなさや報酬の性質も考慮すると、労働者性を認めることはできず、労基法の適用される労働契約とはいえないと結論づけた。
この事件だけの事情
オペラ合唱団員という芸術実演家の契約が、労働基準法上の「労働契約」に該当するかどうかが真正面から争われた事案である。
結論
原告の請求はすべて棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-03-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成17(ワ)4266 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索