地位確認等請求控訴事件(通称 中野区非常勤保育士再任用拒否)
自治体の非常勤職員として長く働いてきた保育士らが、年度末の再任用拒否(雇止め)は無効であり期待権を侵害されたとして、地位確認や損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、何度も再任用を繰り返して常勤と同じ業務を長年行ってきたため、期間の定めのない契約と同様であり再任用されないのは不当であると主張。地位の確認や賃金の支払いのほか、再任用への期待を裏切られたとして国家賠償法に基づく損害賠償を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の自治体は、非常勤保育士の任用は公法上の任用関係(行政処分)であり任期満了で当然に効力を失うと主張。行財政改革や保育園の民営化・指定管理者制度導入に伴う職の廃止には合理的な理由があり、再任用拒否は適法であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、地方公務員の非常勤職員の任用は行政処分であり、私法上の雇用契約に関する解雇権濫用法理を直接類推適用して再任用を擬制することはできないと判断した。しかし、長期間の勤務実態や採用時の説明などから、再任用を期待することが無理からぬ特別の事情があったとして期待権の侵害を認め、国家賠償請求の一部を認容した。
この事件だけの事情
公法上の任用関係における非常勤職員の再任用拒否について、地位確認や解雇法理の類推適用は否定しつつも、期待権侵害を理由とする損害賠償請求を認めた点に特色がある。
結論
原告らの請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2007-11-28 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成18(ネ)3454 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索