退職金等請求事件
会社の元従業員が、懲戒解雇は無効として退職金(年金)や損害賠償を求めた裁判。裁判所は、従業員が刑事事件を起こしたことによる解雇は有効であるとして、請求を退けました。
訴えた側(原告)の事情
原告である元従業員は、私生活上の事件を理由とする懲戒解雇(会社の秩序を乱したなどとしてクビにすること)は無効であり、会社から受けるはずだった終身年金や功労付加金、および不法行為(違法な行為)に基づく損害賠償を支払うよう求めました。
訴えられた側(被告)の事情
被告である会社側は、元従業員が実父の遺体を放置する重大な事件を起こして逮捕・起訴され、テレビや新聞で報道されたことで会社の社会的信用が大きく傷つけられ、企業秩序が乱されたため、就業規則に基づく懲戒解雇は有効であり、年金や賠償金を支払う義務はないと主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、従業員の就労時以外の私生活上の行為であっても、会社の社会的信用に重大な悪影響を及ぼし企業秩序を乱した場合には懲戒解雇は有効であると判断しました。本件では、極めて悪質な刑事事件を引き起こし管理職の立場にあったことなどの影響を考慮し、解雇は有効であり、年金を支給しないとした会社の判断に裁量権の逸脱はないと結論づけました。
この事件だけの事情
実父の遺体を自宅ベランダに放置したとして死体遺棄罪で有罪判決を受けた元従業員が、退職金不支給を伴う懲戒解雇の有効性を争った異例の事件です。
結論
原告の請求はすべて棄却され、被告(会社)の主張が認められました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-05-31 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成17(ワ)17022 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索