未払賃金請求事件(通称 教職員給与規定変更)
私立学校の教職員らが、学校側から給与や賞与を違法に減額されたとして、その差額の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、学校側が平成15年冬期賞与や給与を違法に減額して一部しか支払わなかったと主張。人事院勧告に基づく不利益変更(労働条件を悪くすること)には高度の必要性と合理的な理由がなく、労働組合の同意もないため違法であり、賃金全額払いの原則にも反すると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
被告である学校側は、これまで人事院勧告に準じて給与規定を運用する労働協約(労働組合との約束)があったため、同年の人事院勧告に従った給与引下げは契約通りの適法なものであり、就業規則の不利益変更には当たらないと主張して、請求の棄却を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、過去の人事院勧告はすべて給与が上がるプラス勧告だったため、給与が下がるマイナス勧告がなされた今回の場合まで安易に労働者の同意なしに減額することは許されないと判断。学校側から十分な説明や特段の事情も示されておらず、個別の同意もないまま給与を減額し過去に遡って調整したことは違法であるとした。
この事件だけの事情
国家公務員の人事院勧告における「マイナス勧告」を私立学校の教職員の給与引き下げにそのまま適用できるかが争点となった。
結論
原告らの請求がすべて認められ、学校側に差額の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-10-13 |
|---|---|
| 裁判所 | 熊本地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成16(ワ)274 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索