労働契約上の地位確認等請求,民訴法260条2項の申立て事件
過去の暴力事件などを理由に会社から懲戒解雇(ちょうかいかいこ=重大な規律違反によるクビ)された従業員らが、解雇は無効であるとして労働者の地位確認や給与の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
従業員らは、過去に職場で上司に対して暴行などを働いたことは事実であるものの、事件から7年以上も経ってからそれを理由にクビにするのは権利の乱用であるため無効であり、会社員としての地位があることなどを主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、従業員らが上司に対して暴力や暴言、業務妨害などの重大な規律違反を何度も繰り返したことは就業規則の懲戒解雇事由に当たり、警察の捜査結果を待っていたため処分が遅れただけで、解雇は有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、会社が処分の理由とした事件から7年以上が経過しており、その間に職場秩序が回復していたことなどを重視した。警察の捜査を待っていたとしても、これほど長期間にわたって処分を留保する合理的な理由はなく、処分時点では重い懲戒解雇を必要とする客観的な理由を欠くとして、この解雇は権利の濫用(らんよう=権利の行き過ぎ)であり無効であると判断した。
この事件だけの事情
原判決の仮執行宣言(かりしっこうせんげん=判決確定前でも財産を差し押さえられる効力)に基づいて会社が取り立てた金員の返還を求める民訴法260条2項の申立が認められている。
結論
従業員らの言い分が全面的に認められ、解雇は無効とされた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-10-06 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成16(受)918 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索