青函連絡船渡島丸懲戒解雇
組合のストライキ中に、当直予定の職員を職場から連れ出したことが職務専念義務違反にあたるとして免職された職員が、処分の無効と労働契約上の権利確認を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
組合のストライキ中、当直勤務者を連れ出したとされる行為は、組合の指令に従っただけであり、他の組合員と同じ行動をとったにすぎない。また、免職処分は他の共同実行者との均衡を欠き、裁量権を逸脱した著しく酷いものであり無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
職員は組合員を指揮して当直中の職員を暴力で職場から連れ出し、船舶の安全を脅かし正常な業務運営を妨害した。この行為は「著しく不都合な行為」に該当し、国鉄の業務の性質上、免職処分は正当な権利行使であって濫用ではないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、職員の行為は就業規則に違反し免職事由にあたるものの、他の組合員との処分の格差が大きすぎることや、刑事事件になっていないことなどを考慮すると、免職処分は懲戒権の裁量範囲を逸脱し濫用にあたると判断した。また、国鉄と職員の雇用関係は私法関係であり、免職処分は行政処分ではないため無効であるとした。
この事件だけの事情
国鉄職員の懲戒免職処分について、行政処分ではなく私法上の解雇にあたると判断された事例。
結論
控訴人の請求が認められ、原判決が取り消された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1969-01-17 |
|---|---|
| 裁判所 | 札幌高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和42(ネ)2 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索