日本炭砿未払退職金請求
会社を退職した従業員たちが、労働組合費として退職金から勝手に引かれた1万7千円ずつの返還を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
退職金から引かれた組合費の徴収は、大会での有効な決議がなく違法であると主張。会社に対しては退職金の残額と遅延損害金の支払いを、予備的に組合に対しては不当利得(法律上の原因なく得た利益)の返還を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社は、組合からの依頼に基づいて給料や退職金から天引きして組合に渡す「チェック・オフ協定」があり、正当な大会決議に基づくものと信じていたため弁済(借金などの返済)として有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、組合の大会で有効な臨時組合費の徴収決議が成立していたとは認められないと判断。会社側についても、内容が通常と異なり高額であるにもかかわらず調査を怠った過失があるため、弁済として有効とは認められないとした。被告組合に対する請求は、主要な請求が認められたことで判断する必要がなくなったとした。
この事件だけの事情
主観的予備的併合(主たる被告に対する請求が認められることを条件に、別の被告に対する請求も行う訴訟形態)において、主たる請求が認容されたため予備的請求の判断を行わなかった事例。
結論
退職者たちの言い分が認められ、会社は退職金の残額を支払うことになった。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1969-02-12 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和40(ワ)1162 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索