日本工営懲戒解雇
海外勤務中に会社の許可なく一時帰国したことを理由に懲戒解雇(重い処分)された労働者が、解雇は不当労働行為(組合活動を理由とする不利益な扱い)であり権利の濫用だと主張して、労働者の地位確認と賃金の支払いを求めた仮処分事件。
訴えた側(原告)の事情
労働組合の活動に熱心であったところ、会社から相次いで海外出張や転勤を命じられた。現地では業務がないにもかかわらず帰国を認められず、家族の病気などもあってやむを得ず一時帰国したのに、即座に解雇されたのは不当かつ解雇権の濫用(行き過ぎた処分)であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
海外勤務中の従業員の無許可帰国は業務に重大な支障を来すものであり、就業規則(会社のルール)の懲戒解雇事由(解雇の理由にあたる規定)に正当に該当すると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、労働者の無許可帰国は就業規則の解雇事由に一応該当するものの、会社が帰国願に対して長期間返事をしなかったこと等の事情に鑑みると、直ちに解雇したことは社会通念上(一般的な常識に照らして)著しく妥当性を欠き、解雇権の濫用にあたると判断した。
この事件だけの事情
本件は仮処分(本裁判の結論が出る前に暫定的な保護を求める手続き)であり、解雇期間中に得た収入の控除についても詳細に判断されている。
結論
労働者の請求が概ね認められ、解雇後の賃金の仮払いなどが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1969-04-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和40(ヨ)2281 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索