シンガー・ソーイング・メシーン退職金請求
会社を退職した従業員が、約408万円の退職金の支払いを求めて会社を訴えた事件です。1審では従業員の請求が認められましたが、控訴審では会社側の主張が認められ、逆転敗訴となりました。
訴えた側(原告)の事情
従業員は、会社の就業規則に基づいて計算した退職金総額約408万円と、それに伴う遅延損害金の支払いを求めました。退職金請求権を放棄したとされる意思表示についても、要素の錯誤(勘違い)があり無効であると主張しました。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、退職時に従業員が一切の請求権を有しない旨の英文の念書に署名しており、退職金請求権を放棄していたと主張しました。また、退職金の放棄は違法な相殺の禁止(労働基準法違反)にあたらないと反論しました。
裁判所の判断
裁判所は、従業員が外国企業での高い語学力を持ち、内容を十分に理解した上で署名したと認められることから、錯誤による無効は認められないと判断しました。また、退職時に地位を離れて行う合意による相殺や請求権の放棄は、労働基準法の相殺禁止規定には違反しないと判断しました。
この事件だけの事情
退職時の合意による請求権の放棄や相殺の有効性が争点となった事案です。
結論
被告(会社)の主張が認められ、原告(従業員)の請求は棄却されました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1969-08-21 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和43(ネ)889 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索