日中旅行社解雇
会社から思想や政治的意見を理由に解雇された従業員らが、解雇の無効と従業員としての地位の確認、および給料の仮払いを求めた仮処分申請事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員らは、会社が中国との友好をめぐる特定の政治的意見や思想信条を理由に行った解雇は憲法や労働基準法に違反し、公序良俗にも反して無効であると主張。裁判の確定まで従業員としての仮の地位と、月給の仮払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、自社が中国渡航の斡旋を主業務とする企業であり、中国側から敵視される団体や政党に所属する従業員を放置すれば会社の存立が脅かされると主張。従業員の解雇は企業の存立を維持するためのやむを得ない措置で有効であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、憲法や労働基準法が保障する信条の自由には政治的意見も含まれ、労働者の政治的意見を理由とする解雇は原則として許されないと判断。会社の存立が脅かされるほどの具体的な危険が従業員の行動によって生じたとは認められないとし、解雇は無効であると結論づけた。
この事件だけの事情
本案の判決が確定するまでの間、一時的に従業員としての地位を認め給料の支払いを命じる「仮処分」の裁判である。
結論
従業員側の請求が大部分認められ、解雇が無効として扱われることになった。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1969-12-26 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和42(ヨ)1874 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索