高砂暖房器ショップ制解雇
労働組合から除名された従業員らが、ユニオン・ショップ協定(組合員でなくなることを解雇事由とする協定)に基づいて会社から解雇されたことに対し、除名や解雇の無効と労働契約上の地位確認、賃金の仮払いを求めた仮処分事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員らは、会社の支部丸抱え政策や低賃金・労働強化に反対し、支部の自主性回復と民主化を求めて正当な組合活動を行った。支部が特定政治活動の制限などを定めた運動方針に反発したことを理由に行った除名は、手続に瑕疵(欠陥)があり、正当な組合活動に対する不利益取扱いで無効である。そのため、これを前提とする解雇も解雇権の濫用で無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社および労働組合側は、従業員らが支部の運動方針や決定事項に違反し、指導に従わず反組合的活動を行ったため、規約に基づき適法に除名したと主張した。また、支部と会社の間には除名された者を解雇するユニオン・ショップ協定があるため、有効な除名に基づく本件解雇は正当であり、従業員らの請求は理由がないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、従業員らの行為が支部規約に違反するほどの重大な統制違反や強制に当たるとは認められず、除名処分は無効であると判断した。除名が無効である以上、それを前提に行われた解雇も合理的理由のない解雇権の濫用として無効であるとした。そして、従業員らが会社に対して労働契約上の地位を有することを仮に認め、賃金の仮払いを命じた。
この事件だけの事情
会社の資本金の大部分を組合員が有し、経営点検制度を取り入れるなど、会社と労働組合が特殊な関係性を持つ中で起きた労働紛争である。
結論
原告である従業員らの請求がほぼ認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1970-02-16 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和41(ヨ)2340 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索