山陽新聞懲戒解雇
新聞社の労働組合の役員である従業員らが、会社批判のビラ配布などを理由とする懲戒解雇(重い処分としてのクビ)は不当労働行為(労働者の権利を侵害する行為)であり無効であると主張し、地位の確認と給料やボーナスの支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
組合の役員らである原告らは、会社が推進する合併計画への批判や新就業規則(会社のルール)への反対などを訴えるビラを配った正当な組合活動を行っただけである。会社は組合を弱体化させるために不当に解雇したものであり、解雇は無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、原告らが配布したビラの記載は会社の信用を著しく傷つけ、業務に大きな支障をきたしたと主張した。これは就業規則の懲戒解雇事由(クビにする理由)に該当し、解雇は適法かつ有効であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、ビラの記載内容は概ね真実に基づき、表現も組合活動の範囲内であると認め、解雇は労働組合法に違反する「不当労働行為」にあたると判断した。ただし、労働協約(会社と組合の約束)上の解雇の手続きに関する違反については、解雇そのものを無効とするほどの効力はないとした。結果として解雇は無効とされ、未払い賃金などの請求が一部認められた。
この事件だけの事情
組合役員に対する解雇について労働協約上の承認手続き違反の効力が争点となったほか、多数の原告に対する給料、賞与、各種手当、身分手当の損害賠償額の算定が詳細に行われた事件。
結論
原告らの請求が一部認められ、解雇が無効とされて未払い賃金や損害賠償金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1970-06-10 |
|---|---|
| 裁判所 | 岡山地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和38(ワ)595 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索