小野田セメント津久見工場懲戒解雇
会社から懲戒解雇された労働者らが、解雇の無効と地位保全、賃金の仮払いを求めた事件。裁判所は、組合活動におけるピケッティング(労働争議の戦術)が違法として四名の解雇は有効としたが、一名については解雇事由がないとして退けた。
訴えた側(原告)の事情
労働者らは、会社の経営不振や組合の弱体化を狙った不当解雇であると主張し、解雇は権利の濫用(権利の行き過ぎ)であり無効であると訴えた。また、地位の確認や未払い給与の仮払いを求めて裁判を起こした。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、労働者らが工場での出荷作業を実力で阻止する違法な争議行為を行い、会社の業務を妨害したことは就業規則の懲戒解雇事由(処分事由)に該当すると主張した。そのため、解雇は正当な権利行使であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、管理職による出荷業務は労働協約に違反せず、組合側のピケッティングは暴力や多数の威力を背景に管理職の自由意思を制圧する違法なものと判断した。そのため、中心となった四名の解雇は有効であるとした。一方で、組合の幹部として東京に常駐していた一名については、違法な争議行為への関与が認められないため解雇は無効と判断した。
この事件だけの事情
一部の労働者については解雇が有効とされ、別の一名については関与が認められず解雇が無効とされるなど、関与の程度によって判断が分かれた。
結論
労働者らの請求は一部認められ、一名については地位の確認と未払い賃金の支払いが命じられたが、他の四名の請求は棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1970-10-08 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和43(ネ)128等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索