大和通信工業解雇
会社の解散と全員解雇を言い渡された従業員らが、労働協約に違反して無効だと主張し、雇用契約上の地位を求めて仮処分を申し立てた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、会社が十分な経営努力をせず、計画的に企業閉鎖や解散を進めたと主張した。また、組合(労働組合)との事前の誠実な協議や同意がないまま行われた解雇は労働協約に違反しており無効であるとして、従業員としての地位の保全を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、主要な取引先からの受注中止や親会社からの資金援助打ち切りにより、経営が極めて悪化して実質的な倒産状態だったと反論した。そのため、緊急やむを得ない企業閉鎖であり、組合とも誠実に協議を尽くした上で行った解雇であるため有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、会社の経営状態が極めて悪化しており企業閉鎖や解散には緊急かつやむを得ない客観的事情があったと認めた。また、会社側が組合に対して詳細な説明や協議を尽くしており、組合側の同意権の行使には信義則(信義誠実の原則)上の制約があるため、解雇は一応有効であると判断した。
この事件だけの事情
親会社である日本コロムビアの経営援助打ち切りや主要取引先の受注停止など、客観的な経営難の状況が詳細に認定されている。
結論
従業員側(申請人)の仮処分申請は却下され、会社の解雇有効の判断が維持された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1971-01-29 |
|---|---|
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和45(ヨ)1401 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索