似てる裁判リサーチ

花園病院懲戒解雇

民事原告勝訴認められた金額 87万円

病院の労働組合委員長である従業員が、不当な配置転換や団体交渉の拒否に対抗して旧勤務を続けたところ、業務阻害を理由に懲戒解雇された事件。従業員側が解雇の無効と賃金の支払いを求めた。

訴えた側(原告)の事情

労働組合の結成に関わり執行委員長となった従業員は、病院から不当な格下げやいやがらせを含む配置転換を命じられた。病院が誠実な団体交渉に応じなかったため、業務に支障が出ないよう旧勤務を続ける正当な争議行為を行ったにもかかわらず、懲戒解雇されたのは無効であると主張した。

訴えられた側(被告)の事情

病院側は、作業療法の整備強化などの業務上の必要性と適性を考慮して配置転換を行ったと主張した。従業員らが業務命令に違反して新勤務を拒否し、病院の秩序を乱して患者の治療に悪影響を与えたことは違法であり、就業規則に基づいた懲戒解雇は正当であると反論した。

裁判所の判断

裁判所は、今回の配置転換には不十分な点があり組合員にとって不満を抱く余地があったと認めつつも、労働組合の拒否行動(争議行為)には法的な予告義務違反があったと指摘した。しかし、病院側にも不誠実な対応があったことなどから、今回の行為をもって直ちに解雇するほどの重大な責任を原告個人のみに負わせることはできず、懲戒解雇は権利の範囲を逸脱しており無効であると判断した。

この事件だけの事情

精神病院における特殊な医療環境や、労働関係調整法上の予告義務違反の評価が争点となった。

結論

原告(従業員)の従業員としての地位が確認され、未払賃金の一部支払いが認められた。

この裁判の情報

裁判年月日1972-03-31
裁判所甲府地方裁判所
区分民事の裁判
事件番号昭和42(ワ)100
分野労働

判決の全文

判決文(PDF・裁判所ウェブサイト)

出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索