中日放送懲戒解雇
組合活動でリボンや鉢巻を着用し、上司の命令に従わなかったことなどを理由に懲戒解雇(ちょうかいかいこ=最も重い処分)された従業員が、解雇は無効であるとして地位確認と賃金の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告(従業員)側は、自身の配転(配置転換)は組合活動に対する不当な報復(人事権の濫用=らんよう)であり、組合の指令に従った服装の着用などは正当な組合活動であると主張。解雇は無効であるとして、従業員としての地位の確認と未払い賃金の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)側は、従業員が上司の業務命令に何度も違反し、取引先の前で鉢巻を着用して会社の信用を著しく傷つけ、業務を妨害したと主張。就業規則に基づく懲戒解雇は正当であると反論し、原告の請求の棄却を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、従業員がリボンの着用や無許可の施設利用などで業務上の秩序を乱したことは認めつつも、それらの行為だけで直ちに解雇に値するほど悪質とはいえないとした。また、赤鉢巻の着用についても会社側の対応に誘発された面があり、会社の信用を著しく害したとまでは認められないと判断。したがって、今回の懲戒解雇は処分が重すぎて権利の濫用にあたり無効であると結論づけた。
この事件だけの事情
組合活動をめぐる激しい対立の中で、会社側の人事や指示、従業員の服装闘争が絡み合った複雑な労使紛争の事案である。
結論
原告の請求が大部分認められ、解雇が無効とされて賃金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1972-12-22 |
|---|---|
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和43(ワ)101 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索