関西学院大学助手解雇
大学の助手が、任期満了を理由とする解雇や新制度への移行は無効だと主張し、助手としての地位の仮処分を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
助手として採用されたが、大学側から一方的に任期満了や能力不足を理由に解雇された。この解雇は助手制度の廃止を強行するための権利の濫用(権利の不当な行使)であり無効であると主張し、仮に助手として働き続けられるよう求めた。
訴えられた側(被告)の事情
助手の任期は3年であり、期間満了によって当然に退職したか、あるいは研究業績が全くなく能力に欠けるため通常解雇は有効であると主張した。また、大学改革として助手制度を廃止し、新たな実験実習指導補佐制度へ移行することは経営上当然であるとした。
裁判所の判断
裁判所は、3年の任期のうち初めの1年は雇用の期間であるが、残りの2年は解雇権が制限された「身分保障期間」にあたると解釈した。しかし、助手の本来の職務である研究において、3年間で論文などの業績を一切挙げておらず、期待された研究能力を欠いていると認められるため、大学側が行った解雇の予告は合理的であり有効であると判断した。
この事件だけの事情
大学の助手制度の法的性質(任期と身分保障)や、研究者としての適格性の判断基準について詳しく踏み込んで判断している点が特徴的である。
結論
大学側の解雇が有効と認められ、申請人の申し立ては却下された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1974-07-19 |
|---|---|
| 裁判所 | 神戸地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和46(ヨ)95 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索