工学院大学賃金請求
亡くなった従業員の退職金をめぐり、法律上の妻である原告と、内縁の妻にすでに支払った会社との間で、誰に受給権があるか争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
亡くなった夫と長年別居させられていたが離婚には合意しておらず、夫の死亡後に勤務先から退職金が支払われていなかったため、法律上の妻として退職金全額の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
亡くなった従業員が生前に独身と偽り、内縁の妻と同居して生活していたため、真の受給権者と信じて内縁の妻に退職金を支払った。そのため、会社としての支払義務はすでに消滅していると主張した。
裁判所の判断
会社側の内縁関係に関する規程では、原則として法律上の配偶者が優先されると判断した。夫と原告の間で事実上の離婚が成立していたとはいえず、受給権は法律上の妻にあるとした。また、会社側が戸籍を確認せず安易に内縁の妻に支払ったことには過失があり、二重払いを免れることはできないと結論づけた。
この事件だけの事情
亡くなった従業員が会社に対して独身と偽り偽名を使っていたため、会社が真の配偶者を見落として内縁の妻に退職金を二重に支払ってしまうリスクを負った特殊な事情がある。
結論
原告の請求がすべて認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1978-02-13 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和51(ワ)2256 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索