全日本検数協会賃金カット
就業時間中の組合活動(労働組合の活動)に対する賃金カット(減給)をめぐり、会社が本来より過大な減給を行ったとして、労働者側が差額の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
労働者側は、就業時間中の組合活動に対し、会社が一定の基準で通常の届出欠勤と同じ「50分の1カット」とする労働慣行(事実上の慣習)が成立していたと主張。会社が一方的にこれを破棄して「25分の1カット」という過大な減給を行ったのは、組合活動に対する不当労働行為(不利益な扱い)であり無効であるとして、差額賃金の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、業務の繁忙や待機時間の減少、組合活動の増加により、従来の扱いを維持できなくなったと主張。就業時間中の組合活動は原則として認められないものであり、ノーワーク・ノーペイの原則(働いていない時間には賃金を払わない原則)に基づき25分の1カットを行ったことは正当であり、労働契約や慣行の成立はないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、労働者側が事前に届出を行い、業務の配置の便宜がはかれない場合には「50分の1カット」とする取扱いが約8年間行われ、労働契約の内容として定着していたと認定。会社の事業が繁忙になったことなどの事情の変化はあるが、それだけで従業員の不利益に労働条件を変更することは正当化できないとし、50分の1を超える部分の減給は違法であると判断した。
この事件だけの事情
長年の労使の取扱いが「労働契約の内容(労使慣行)」になっているかどうかが大きな争点となった。
結論
労働者側の請求がすべて認められ、会社側に対して差額賃金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1978-08-09 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和46(ワ)5596等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索