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東洋酸素整理解雇

民事その他

業績悪化を理由に会社が部門を閉鎖し従業員を解雇したことに対し、労働者側が解雇無効を求めて仮処分を申し立てた事件。

訴えた側(原告)の事情

労働者側は、会社が多額の黒字を計上し配当も増えていることや、十分な事前協議や解雇回避の努力(希望退職の募集や配置転換)を尽くしていないことを理由に、本件解雇は就業規則に反し権利の濫用(権利の行き過ぎ)であって無効であると主張した。

訴えられた側(被告)の事情

会社側は、アセチレン部門が業界の構造変化や低い生産能率により多額の累積赤字を抱え、経営改善の見込みがなかったことや、他部門も過剰人員を抱えており配置転換や全社的な希望退職の実施が極めて困難であったことから、解雇はやむを得ない事業の都合によるもので有効であると主張した。

裁判所の判断

裁判所は、アセチレン部門の赤字が深刻で経営上の閉鎖の必要性や合理性が認められること、当時の業績は減価償却費等の減少によるもので実質的な好転とはいえず、他部門への配置転換や希望退職の実施も当時の状況下では困難であったと判断した。また、協議の尽くし方に一部問題があったとしても信義則(信用の原則)に反して無効とまではいえないとし、解雇は有効であると結論づけた。

この事件だけの事情

企業が業績悪化を理由に特定部門を閉鎖して整理解雇を行った際、会社全体の利益状況や他部門の過剰人員、解雇回避努力の難しさがどのように評価されたかが示された事例である。

結論

会社側の言い分が通り、労働者側の申立ては却下された。

この裁判の情報

裁判年月日1979-10-29
裁判所東京高等裁判所
区分民事の裁判
事件番号昭和51(ネ)1028
分野労働

判決の全文

判決文(PDF・裁判所ウェブサイト)

出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索