阪神観光楽団員地位確認
キャバレーで演奏する楽団員らが、自分たちは会社の従業員(労働者)であることの確認などを求めた事件。会社側は、楽団とは請負契約(仕事を完成させる契約)を結んだだけで従業員ではないと主張し、争いとなりました。
訴えた側(原告)の事情
楽団員らは、会社の経営する店で毎日決まった時間に出演し、店側の指示に従って演奏業務を行ってきた。自分たちは演奏による収入で生活を立てており、会社との間には労働契約(働く人と会社が結ぶ契約)関係があると主張しました。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、バンドマスター(リーダー)に演奏を請け負わせただけであり、楽団員らを直接採用したり勤務管理したりしていないと主張しました。また、楽団員らが労働組合を作ってから労働契約を主張するのは「禁反言の法理(過去の自分の言動と矛盾する主張は許されないというルール)」に反すると主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、楽団員らが会社の指定する日時や場所で指示を受けて継続的に演奏していたことや、出演報酬が労働の対価と認められることなどを重視しました。バンドリーダーは会社から独立してバンドを経営していたのではなく、管理的な役割にすぎないと判断しました。請負契約のような外見があっても、実質的には労働契約関係があると認めました。
この事件だけの事情
契約の形式が「請負契約」のような形をとっていても、実際の働き方の実態が従属労働であれば労働契約と認められるかが争点となった。
結論
楽団員らの言い分が認められ、会社側の請求は退けられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1980-08-26 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和53(ネ)1483 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索