三愛作業解雇
大学中退の経歴を隠して採用された試採用の労働者が解雇された事件で、労働者は地位の保全を求め、会社は解雇の正当性を主張して争った。
訴えた側(原告)の事情
労働者は、採用時に大学中退の事実を聞かれず、学歴不問だったため問題ないと主張した。また、試用期間はすでに過ぎており、解雇は不当で、労働者としての地位があることや賃金の支払いを求めて訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
会社は、港湾荷役という過酷な現場では協調性や長期間の勤務が不可欠で、高学歴者は不向きであるため採用方針として除外していたと主張した。重要な経歴である大学在学歴を隠したことは詐称(うそを言ってだますこと)であり、解雇は正当であるとした。
裁判所の判断
裁判所は、試採用期間中に経歴を隠して採用されたことについて、会社の労働力評価を誤らせる背信的な行為であると認めつつも、解雇権の濫用(権利の乱用)に当たり無効であると判断した。ただし、残余の試用期間を考慮し、決定告知の日から一定期間の試用採用者としての地位と仮の賃金の支払いを命じた。
この事件だけの事情
試用期間の途中で解雇が無効とされた場合において、解雇から裁判告知までの期間について試用期間の進行が停止していたものとして改めて一定期間の試用期間を設定した点が特殊である。
結論
労働者の請求が一部認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1980-12-04 |
|---|---|
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和55(ラ)199等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索