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ダイハツ工業諭旨解雇

民事原告勝訴認められた金額 1,061万円

工場の廃止に伴い残務整理に従事していた従業員が、組合の焼却予定の段ボール箱を持ち出したことを理由に会社から諭旨解雇(自主退職を促す懲戒処分)されたことについて、解雇は無効であると確認を求め、未払い賃金などの支払いを求めた事件。

訴えた側(原告)の事情

従業員側は、持ち出した段ボール箱は組合所有の不要品であり、中に会社の業務上重要な秘密が入っていたわけでもなく、刑法上の罪(窃盗罪など)にも当たらないと主張。さらに、自身の思想信条を理由とする不当な解雇であり、解雇権の濫用(権利の行き過ぎ)として無効であると訴えた。

訴えられた側(被告)の事情

会社側は、従業員が工場の組合事務所前にあった重要な機密書類入りの段ボール箱を無断で持ち出し、日本共産党の活動のために利用しようとしたと主張。これは就業規則の複数の懲戒事由に該当し、労働者との信頼関係を破壊するものであるため、諭旨解雇は適法有効であると反論した。

裁判所の判断

裁判所は、持ち出された段ボール箱は組合所有のもので間もなく焼却される予定であり、会社側の業務上重大な秘密が入っていたとは認め難いと判断。また、実際に損害も生じていないことから、この行為を理由に二番目に重い諭旨解雇処分にすることは処分が重すぎて不当であり、解雇権の濫用にあたると結論づけた。

この事件だけの事情

従業員が請求していた賃金および一時金のうち、会社側が認めた昇給昇格を反映していないベースの金額の範囲でのみ認容された。

結論

解雇は無効と認められ、会社側に対して未払い賃金等の支払いが命じられた。

この裁判の情報

裁判年月日1981-11-30
裁判所大阪地方裁判所
区分民事の裁判
事件番号昭和53(ワ)3121
分野労働

判決の全文

判決文(PDF・裁判所ウェブサイト)

出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索