欧州共同体委員会解雇
国際機関の日本にある代表部に採用された職員が、試用期間中の解雇は無効であるとして、地位の確認や給与の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
期間の定めがない職員として採用されたのに解雇されたのは不当であると主張。適格性を欠いていたという言い分には覚えがなく、会社のミスを自分に責任転嫁されたものであり、生活に困窮しているとして、職員の地位にあることの確認や給与・賞与の仮払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
外交特権を持つ機関であり、就業規則に基づき試用期間中の解雇は有効であると主張。採用時の書類に経歴の偽りがあったことや、英語能力や業務遂行能力が期待に達せず、指導にも従わず協調性に欠けるなど、試用期間中の解約権の行使として適格性を欠くため解雇は正当であるとした。
裁判所の判断
裁判所は、試用期間中の解雇には広い解雇の自由が認められるとし、職員の英語力不足や業務上の不手際、協調性の欠如などの事情から、解雇には客観的に合理的な理由があり社会通念上相当であると判断した。ただし、解雇予告期間が不足していたため、不足期間分の賃金請求権は認めたものの、直ちに仮払いを要する急迫した事情はないとして、申請をすべて却下した。
この事件だけの事情
欧州共同体の機関における日本国内での現地職員の雇用契約について、日本の労働法規の適用と国際機関の規則との関係が問題となった事案である。
結論
会社の言い分が通り、申請人の請求はすべて却下された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1982-05-31 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和55(ヨ)2305 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索