福岡ラッキータクシー賃金請求
タクシー会社の乗務員らが、会社の賃金方針などに反発して運行記録紙の装着を拒否するストライキを行ったところ、会社側がこれを理由に出庫させず就労させなかったとして、未払いの賃金や賞与、休業手当の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告である乗務員らは、会社が一方的に賃金を引き下げて暫定支給したことに反対し、組合の決定に基づいて記録紙の装着を拒否する争議行為を行った。しかしそれ以外の業務の準備は整えて待機していたため、会社が就労をさせなかったのは違法なロックアウト(会社側による就業拒否)または会社の責任によるものであり、賃金請求権や休業手当を受け取る権利があると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告である会社側は、記録紙の装着は就業規則で定められた乗務員の義務であり、これを拒否することはタクシーの運行を不可能にするものであるから、労務の提供が全くないのと同じであると反論した。また、会社が就労を拒絶したのではなく、労働者側が自ら就労不能を招いたため、賃金や休業手当を支払う義務はないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、記録紙の装着は就業規則上の乗務員の義務であり、それを拒否することはタクシーの運行を法律上不可能にするため、完全な労務の提供とは認められないと判断した。また、会社側の対応は違法なロックアウトにあたらず、就労できなかったのは労働者側の争議行為に原因があるとして、原告らの請求をいずれも退けた。
この事件だけの事情
タクシーの運行記録計(タコメーター)の記録紙を乗務員が自ら装着する業務について、それが労働契約上の義務であるか、またその拒否が就労拒否にあたるかが主な争点となった。
結論
原告らの請求はすべて棄却され、被告側の勝訴となった。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1982-06-14 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和52(ワ)1649 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索