東宝照明技師等地位確認
映画会社の技術者である原告らが、会社との契約は労働者としての「雇用契約」であると主張し、定年を理由とする契約更新の拒絶は無効であるとして、労働者としての地位の確認や未払い報酬の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、映画会社に専属して働き、会社の指揮命令を受けていること、長期間の雇用実績があること、報酬が生活保障給の性質を持つことなどから、自らの契約は「雇用契約」であると主張した。そのため、会社側が行った契約更新の拒絶は解雇にあたり、正当な理由がないため無効であると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の映画会社は、技術者らとの契約は「請負契約(仕事の完成を目的とする契約)」であると主張した。技術者らは一般社員とは異なり、就業時間がなく、報酬も高額で、税務上も独立した事業者として申告しているため、労働法上の雇用契約ではなく、更新拒絶に問題はないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、技術者らが助手時代に一度退職金を支給されてから請負契約を結び直したこと、就業時間や就業規則の適用がないこと、税法上の所得申告が事業所得であることなどを総合的に考慮した。その結果、本件契約は雇用契約とは認められないと判断し、原告らの請求をいずれも棄却した。
この事件だけの事情
映画製作における技術者(照明や録音など)の特殊な契約形態(請負契約か雇用契約か)が争点となった。技術者らは一般の従業員とは異なる高額な報酬や自由な勤務形態であったことが重視された。
結論
被告(映画会社)の言い分が認められ、原告らの請求はすべて棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1982-06-24 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和51(ワ)11312等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索