全日本検数協会賃金カット
組合活動による欠勤に対する賃金の控除率(カット率)を巡り、労働者側がこれまでの有利な慣行による労働契約の成立を主張して差額の支払いを求めたが、裁判所はこれを認めず請求を棄却した事件。
訴えた側(原告)の事情
労働者側は、組合活動による欠勤について長年、通常の届出欠勤と同じ低い控除率(50分の1)が適用されてきたのは労使慣行(事実として繰り返されてきた慣習)であり、労働契約の内容になっていると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、当時の控除率は組合に対する経費援助としての暫定的な措置にすぎず、経営環境の変化や法的な指摘を受けてこれを正当な控除率(25分の1)に変更したものであり、労働契約の内容として固定化されたものではないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、これまでの低い控除率での扱いは、時代の変化や労使関係の推移に応じた過渡的・便宜的な取扱いにすぎず、労使間に法的確信をもって固定化された労働慣行とは認められないと判断した。したがって、会社が就業規則を変更して控除率を改定したことは違法ではなく、労働者側の請求は理由がないとした。
この事件だけの事情
港湾労働における組合活動への便宜供与や経費援助を巡る法的な評価と、それが個別の労働契約の内容に転化するかどうかが争点となった。
結論
労働者側の請求はすべて棄却され、会社側が勝訴した。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1982-08-18 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和53(ネ)1379 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索