大阪暁明館退職金請求
病院を辞めた従業員らが、就業規則に基づく退職金の支払いを求めて病院側を訴えた事件です。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、退職にあたって労働の対価である退職金の支払いを求めました。また、遅延損害金(遅れたことに対するペナルティの利息)についても商事法定利率(商人間の取引に適用される高い利率)によるべきだと主張しました。
訴えられた側(被告)の事情
被告の病院側は、経営悪化による破産の危機という事情変更や、労働組合とのトラブルによる業務妨害を理由に、退職金規定は失効しているか支払いは猶予されるべきだと主張しました。また、支払いは保険会社の積立金から行う慣行や合意があったとも主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、病院の経営悪化は通常の予測範囲内であり、事情変更の原則(予期せぬ事情の変化により契約をそのまま守らせることが不当な場合に対応する法律の考え方)は適用されないと判断しました。また、退職金の支払いを特定の積立金に限定する労働慣行や合意があったとは認められないとしました。一方、遅延損害金の利率については、病院は商人ではなく医療行為を行う法人のため、民法所定の通常の利率によると判断しました。
この事件だけの事情
原告が36名に及び、一部の原告に対しては判決前に一部弁済(借金や代金の一部を返すこと)がなされていた点や、奨学金返済分を控除して請求している点に特徴があります。
結論
原告らの請求がほぼ認められ、被告に対し退職金および遅延損害金の支払いが命じられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1983-11-15 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和57(ワ)5563等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索