大鵬薬品工業懲戒解雇事前禁止
医薬品メーカーの組合委員長が、自社製品の安全性に関する雑誌の取材での発言を理由に出勤停止処分と始末書の提出を求められたことに対し、処分無効の確認と始末書提出を理由とする追加処分の禁止を求めた仮処分申請事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、雑誌での発言は事実であり懲戒事由には当たらないと主張。さらに、会社側が労組を敵視しており、始末書を出さないことを口実に懲戒解雇(クビ)にしてくる危険が極めて高いため、仮処分によってこれを防ぐ必要があると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、従業員の雑誌での発言は事実に反し誇張や歪曲であり、会社の信用や名誉を傷つけて企業秩序を乱したため、就業規則に基づいた出勤停止や始末書提出の要求は正当であると反論。また、現時点で解雇等の具体的な手続きは進んでおらず保全の必要性もないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、会社が始末書の提出を求めているものの、具体的にどのような懲戒処分になるかや時期などは不確定であり、現段階で仮処分によって会社の懲戒権の行使を禁じなければ回復し難い損害が生じるとはいえないと判断。保全の必要性(緊急の保護の必要性)がないとして、申請をいずれも却下した。
結論
会社側の言い分が通った(申請はすべて却下された)。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1984-09-06 |
|---|---|
| 裁判所 | 徳島地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和59(ヨ)124 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索