香港上海銀行退職金請求
退職後に作られた新しい退職金協定を過去にさかのぼって適用できるか、また労働組合法の一般的拘束力(労働者の多数を占める組合の協定が少数組合員にも及ぶ効力)が問題となった事件。
訴えた側(原告)の事情
原告(元従業員)は、退職当時の基準で計算された退職金を受け取る権利があり、退職後に結ばれた新しい協定で金額を減らされるいわれはないと主張し、会社に対して差額の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)は、過去の慣行として退職金協定はさかのぼって適用されており、労働組合法により少数組合員に対しても多数組合の協定が及ぶため、新しい協定に基づく金額が正当であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、従業員の過半数が加盟する労働組合との間で結ばれた退職金協定は、労働組合法の規定により少数組合員である原告にも適用されると判断した。また、過去の労使関係に照らし、後から協定で金額を調整し直すことも法的に許されるとした。その結果、原告がすでに受け取っていた仮払い金の過払い分を控除し、被告の請求を一部認めた。
この事件だけの事情
退職金協定のさかのぼり適用や、労働組合法17条の一般的拘束力が少数組合員に及ぶ範囲が争点となった事例。
結論
被告(会社)の過払い金返還請求が一部認められ、原告の請求は一部棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1985-02-06 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和58(ネ)639等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索