日本鉄鋼連盟差額賃金請求等
女性職員らが、会社における男女別の賃金差別や昇格の制限は違法であると主張し、男子職員との賃金の差額や慰謝料などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、会社が女子であることを理由に基本給の上昇率や一時金などで不当な差別をしており、労働基準法や憲法に違反すると主張。また、特定の部署への配置転換は無効であり、それに基づく懲戒処分も不当であるとして、賃金の差額や慰謝料などの支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の会社は、職員を基幹的業務を行う「基幹職員」と補助的業務を行う「その余の職員」に二分しており、採用方法や職務内容の違いに応じた処遇であって男女差別ではないと反論。また、配置転換や懲戒処分は業務上の必要性に基づく正当なものであると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、採用や昇進における男女別のコース制自体は、当時の状況に照らして直ちに公序良俗に反して違法無効とはいえないとした。しかし、労働協約で定められた基本給の上昇率や一時金支給係数において女子を男子より不利益に扱った部分は民法違反で無効と判断し、同条件の男子職員との差額賃金の支払いを一部認めた。一方、配置転換は人事権の裁量の範囲内であり、訓戒処分の無効確認の訴えは不適法であるとして退けた。
この事件だけの事情
男女の賃金格差やコース別雇用管理の違法性が争点となった代表的な労働事件の一つ。
結論
原告らの請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1986-12-04 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和53(ワ)587 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索