動労千葉書記長解雇
国鉄の組合役員である労働者が、ジェット燃料の輸送拒否などを理由に受けた解雇の無効と賃金の支払いを求めた裁判で、裁判所は解雇を有効と判断し、控訴を棄却しました。
訴えた側(原告)の事情
控訴人は、国鉄と自分の所属する労働組合の間でジェット燃料の輸送に関する労働協約(労働条件の取り決め)が結ばれていないことなどを理由に、業務命令に従う義務はなく解雇は無効であると主張し、地位の確認と給与の支払いを求めました。
訴えられた側(被告)の事情
被控訴人は、ジェット燃料の輸送は正当な通常の業務であり、労働協約がなくても業務命令に従うべき義務があること、また成田空港を廃港にする目的で行われた争議行為(ストライキなど)における役割や過去の処分歴を考慮すると、解雇は適法であると主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、労働協約がなくても、労働者は予定された範囲内で労務提供の義務を負い、業務命令に従うべきであると判断しました。また、空港を廃港に追い込む目的での反対闘争における原告の役割や過去の処分歴等を踏まえると、国鉄が行った解雇処分は裁量権の範囲を逸脱・濫用したとはいえないと結論づけました。
この事件だけの事情
国鉄改革法や国鉄清算事業団法に基づき、国鉄から日本国有鉄道清算事業団へ被告の地位が承継された特殊な経緯があります。
結論
被告(会社側)の言い分が通り、原告の控訴が棄却されました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1988-08-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和61(ネ)196 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索