三和プラント工業割増賃金請求
海外に派遣されて働いた労働者が、勤務時間外や休日にも働いたとして、会社に対して時間外手当と休日出勤手当の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告は、会社との間で海外派遣契約を結び、海外のプラント工事に従事した。現地での実際の労働時間は長かったが、あらかじめ時間外手当も派遣の対価に含まれるとされていたのは労働基準法に違反して無効であるとして、未払いの時間外手当と休日出勤手当の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告である会社は、海外派遣の業務は現地での労働規則などが不明確な部分が多く、通常の時間外労働をカバーする十分な対価をあらかじめ約束していたため、契約は適法であると主張し、追加の手当の支払いを拒んだ。
裁判所の判断
裁判所は、契約で時間外手当の請求を一切放棄させる定めは、労働者にとって不利益であり、時間外労働の対価が含まれていたとしてもそれが十分にカバーしているか不明であるため、労働基準法に違反して無効と判断した。その上で、実際の時間外労働と休日出勤の時間に基づき手当の金額を計算し、原告の請求を認めた。
この事件だけの事情
海外派遣における「時間外手当は派遣の対価に含む」という包括的な合意の有効性と、実際の労働時間に基づいた具体的な割増賃金の算定方法が問題となった。
結論
原告の請求が全面的に認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1990-09-11 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和63(ワ)8263 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索