池本興業解雇
労働組合を結成して活動した労働者らが、派遣先の会社からの就労拒否や会社の解散・解雇などは不当労働行為(労働組合の活動を理由とする不利益な扱い)であるとして、賃金の支払いや損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
労働者らは労働組合を結成して労働条件の改善を求めたところ、派遣先から就労を拒否され、自宅待機や出勤停止を命じられた。さらに会社側が解散したため解雇されたのは不当労働行為であり無効であると主張し、未払い賃金や損害賠償の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、労働者らが勤務時間中に賭博や飲酒などの不祥事を繰り返したため派遣契約を解除したと主張した。また、売掛金の差し押さえにより取引先との取引が断られ、融資も受けられなくなったため事業継続が不可能になり、適法に解散したと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、会社側が労働組合の結成や活動を嫌悪して就労の機会を奪い、賃金の支払いを免れようとした一連の行為は不当労働行為にあたると判断した。ただし、会社の解散自体は偽装ではなく真実のものであるため、損害の範囲は会社が解散した日までの賃金相当額に制限されるとした。
この事件だけの事情
派遣元会社が解散したことによる解雇について、解散自体は適法な企業廃止の自由として有効と認められつつも、そこに至るまでの嫌がらせ行為が不当労働行為として損害賠償責任を生じさせると判断された点が特徴である。
結論
労働者側の請求が一部認められ、会社側に対して未払い賃金や損害賠償の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1991-03-29 |
|---|---|
| 裁判所 | 高知地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和59(ワ)20 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索