沼津交通賃金請求
タクシー会社で、年次有給休暇(有給)を取ると皆勤手当が減らされたり支給されなくなったりする制度が、法律や公序良俗に反して無効かどうかが争われた裁判です。
訴えた側(原告)の事情
労働者側は、有給休暇を取ったことを理由に皆勤手当を減額や不支給にすることは、労働者の有給休暇を取る権利を制限するものであり、法律の趣旨や公序良俗に反して無効であると主張しました。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、自動車の効率的な運行のために乗務員の出勤率を高める必要があり、有給休暇の取得を避けた乗務員に皆勤手当を支給する制度は、一般的に有給休暇の取得を抑制する趣旨ではないと主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、皆勤手当の減額等は望ましくない面があるとしつつも、タクシー業界における自動車の効率的運行の必要性や、減額される皆勤手当の額が相対的に大きくなく事実上の強い抑止力とは言えないこと等を考慮しました。その結果、労働者の有給休暇取得の権利を実質的に失わせるものとまでは言えず、公序良俗に反して無効とは言えないと判断しました。
この事件だけの事情
有給休暇の買取りが行われていたことや、皆勤手当の額が現実の給与に対して最大でも1.85パーセント程度であったという具体的な数字が判断の事情とされています。
結論
会社側の制度が公序良俗に反して無効とはいえないとされ、労働者側の敗訴となりました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1993-06-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成4(オ)1078 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索