三菱重工長崎造船所賃金カット
始業時刻前の作業服や安全保護具の着用、準備体操場への移動時間が「労働時間」にあたるか、会社がカットした賃金の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、会社の指示で作業服や安全保護具の着用や移動が義務付けられており、これらは業務上不可欠な準備行為であるため労働時間にあたると主張し、カットされた賃金の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、着替えや移動は自由に行われており会社の指揮命令下にはないため労働時間ではなく、就業規則にもとづく賃金カットは正当であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、作業服や安全保護具の着用が会社の規則や指示による義務であり、その後の移動も含めて実質的に会社の指揮命令下に置かれていたと認定した。そのため、始業前のこの時間は労働基準法上の「労働時間」にあたり、これを除外する就業規則の規定は無効であると判断した。
この事件だけの事情
造船所における作業服や保護具の着用、準備体操や移動にかかる時間が労働時間にあたるかが争点となった。
結論
従業員側の請求が認められ、会社側はカットした賃金を支払うことになった。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1995-03-15 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和63(ネ)16 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索