三菱重工長崎造船所賃金カット
会社が完全週休二日制を導入した際、労働時間の計算方法などを変更したことについて、従業員側が違法な労働条件の不利益変更(労働条件を一方的に悪くすること)だと主張し、未払い賃金の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員らは、就業規則の変更により、これまで労働時間に含まれていた更衣や準備体操などの時間が労働時間から外され、実質的に労働時間が延びたのに賃金が払われていないと主張。この変更は違法かつ無効であるとして、未払い分の賃金の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、労働時間の短縮(完全週休二日制の導入)と新しい始終業基準は一体であり、全体として従業員に有利であると主張。また、着替えや準備体操などの時間は、会社の指揮命令下にある労働時間ではなく、これまでの取り扱いは単なる事務処理上の便宜にすぎないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、労働安全衛生法などの法令や会社の規則で義務付けられている更衣や保護具の装着、それに伴う移動時間は、使用者の指揮命令下にある「労働時間」にあたると判断した。したがって、これらを除外する就業規則の定めは労働基準法に違反して無効であり、その範囲で従業員側の請求を一部認めた。
この事件だけの事情
完全週休二日制の導入に伴う労働時間の短縮と、準備体操や着替えなどの準備行為を労働時間から外す変更が一体として行われたため、全体としての不利益性や合理性が詳細に検討された。
結論
裁判所は従業員側の請求を一部認め、会社に対し未払い賃金の支払いを命じた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1995-04-20 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成1(ネ)193 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索