西日本旅客鉄道賃金請求
鉄道会社が夏季手当の支給にあたり、労働組合の組合員に対して一律に成績率を減額査定したことは不当労働行為や裁量権の濫用にあたると主張し、減額分の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、会社側が国鉄時代からの労働組合への敵視政策の一環として、組合員を狙い撃ちにして夏季手当を減額査定したと主張。特に組合バッジの着用は正当な組合活動であり、これを理由にした減額や、手続きの不当性は裁量権の濫用であるとして、減額分の給与の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の会社側は、新会社の発足に伴い職場規律の厳正な維持が求められていた中、就業規則に違反して勤務中の組合バッジ着用や身だしなみ不良、業務に対する非協力的な態度があったため、業務成績や勤務態度を総合的に評価して適正に減率査定を行ったものであり、裁量権の範囲内であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、組合バッジの着用は就業規則(服装や組合活動の制限)に違反し、企業秩序を乱すものであるため、これを理由とする減率査定自体には合理性が認められると判断した。ただし、一部の原告については会社側が主張する減率事由の事実が認められないか、事由として相当でないため裁量権の濫用となるとし、一部の原告の請求を認め、残りの原告の請求を棄却した。
この事件だけの事情
分割民営化直後の鉄道会社における労働組合員への夏季手当減額査定の有効性が争われた多数原告による訴訟。
結論
原告らの一部の請求が認められ、残りは棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1998-04-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 広島高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成5(ネ)392等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索