日本貨物鉄道賃金請求
国鉄の分割民営化後に設立された会社で行われた夏季手当の査定による減給が、組合活動に対する不当労働行為や裁量権の濫用にあたるとして、労働者らが損害賠償を求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
労働者らは、組合バッジの着用や指差呼唱の不参加などを理由にした減給査定は、労働組合への嫌がらせ(不当労働行為)であり、考課査定権(人事評価の権限)の濫用であると主張し、減額された夏季手当相当額の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、減給査定は勤務成績や規律違反に基づく厳正かつ公平な結果であり、組合員であることを理由にした差別ではないと主張。職場規律の確立や安全確保のためのルールを守らない社員に対する評価は裁量の範囲内であるとした。
裁判所の判断
裁判所は、会社側が組合バッジの着用禁止などを定めたことには職場秩序維持の観点から合理的な理由があり、原告らに対する減給査定も具体的な問題行動に基づくもので、裁量の範囲内であると判断した。一方、労働者らの請求は不当労働行為や裁量権の濫用を前提とするため、いずれも理由がないとした。
この事件だけの事情
国鉄の分割民営化に伴う労使関係の激変期における、組合バッジの着用や指差呼唱をめぐる人事評価の有効性が争点となった。
結論
労働者側の請求は一部を除き退けられ、会社側の主張が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1999-01-29 |
|---|---|
| 裁判所 | 広島高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成5(ネ)393等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索