ナショナル・ウエストミンスター銀行解雇
銀行の部門閉鎖に伴い解雇された従業員が、解雇は権利の乱用で無効だと主張し、地位の確認と給与の仮払いを求めた仮処分事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、正当な理由のない解雇や不利益な賃金引き下げへの同意拒否を理由にした解雇は権利の乱用であり無効であると主張し、労働契約上の地位確認と、判決確定までの毎月の給与などの仮払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、経営方針の転換による部門閉鎖で担当業務が消滅したため解雇には経営上の必要性があり適法であると主張し、解雇権の濫用という法理の適用や裁判所の判断を厳しく批判した。
裁判所の判断
裁判所は、部門閉鎖による人員削減の必要性は認められるものの、終身雇用的な期待を持つ従業員に対し、直ちに解雇するのではなく他のポジションへの配置転換などの回避措置をとるべきであったとし、解雇は権利の濫用にあたると判断した。
この事件だけの事情
従業員はすでに退職金を受け取っていたが、それは解雇無効を前提とした返還不要の贈与とは認められず、仮払いの必要性の判断を左右しないとされた。
結論
従業員側の申し立てが一部認められ、会社側に対して一定期間の給与の仮払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1999-01-29 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成10(ヨ)21249 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索