中根製作所賃金請求
会社が行った、53歳以上の従業員を対象とする基本給の減額と、全従業員を対象とする給与減額措置について、元従業員らがその効力を争い、給与や賞与、退職金などの差額の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、労働組合の大会での決議を経ていない労働協約(労働条件を取り決めた契約)による基本給の減額や、基準が曖昧な給与減額措置は一方的で無効であると主張し、減額された給与、賞与、退職金、および雇用保険の差額と遅延損害金の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の会社は、経営悪化による赤字を避けるため、労働組合との間で代議員会での決議や説明を経て有効な労働協約を締結し、全従業員へのアンケートや説明会を経て合意を得て給与の見直しを行ったため、減額措置は有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、労働協約の締結に際して組合員への十分な意見聴取や個別的配慮がなく、減額の幅が大きく経過措置もないため規範的効力(労働条件を直接規律する効力)は認められないと判断した。また、給与減額措置についても個別の同意があったとは認められないとして、いずれも無効と判断した。
この事件だけの事情
退職金や雇用保険の差額についても、無効な減額措置を適用した結果生じた不法行為に基づく損害として賠償が認められている。
結論
原告らの請求がほぼ認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1999-08-20 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成10(ワ)9314等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索