日本工業新聞社懲戒解雇
新聞社の論説委員から支局長への配置換えを命じられた従業員が、業務を拒否したことを理由に懲戒解雇された事件。裁判所は、解雇の理由自体はあると認めつつ、解雇を決めた賞罰委員会のメンバーに手続き上の違反があったとして解雇を無効と判断しました。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、会社が新しく結成された労働組合を潰そうとして不当な配置換えや業務命令を行い、それを理由にした解雇は不当労働行為であり無効であると主張しました。また、自分は「使用者の利益を代表する者(経営側の人間に近い者)」ではないため組合員資格があり、解雇の手続きにも重大な違反があったと訴えました。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、経営合理化のために配置換えを行ったのであり、指示された業務を拒否し続けた従業員には就業規則違反(業務命令違反)の懲戒解雇事由があると主張しました。また、従業員は会社の利益を代表する立場にあるため労働組合を結成・加入する資格はなく、解雇の手続きも正しく行われたと反論しました。
裁判所の判断
裁判所は、会社の経営合理化や配置換え、業務命令自体には合理性があり、従業員が業務を拒否したことには懲戒解雇の理由があると認めました。しかし、解雇を決める賞罰委員会の委員の中に、従業員へ業務命令を出した張本人である取締役らが含まれていたことは、規程に反する重大な手続き違反であると指摘しました。そのため、この違法な手続きによってなされた解雇は解雇権の濫用(権利の行き過ぎ)にあたり無効であると判断しました。
結論
解雇が無効とされ、原告である従業員の労働契約上の地位確認と未払賃金等の支払いが認められました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2002-05-31 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成8(ワ)8380 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索