昭和シェル石油男女賃金差別
定年退職した女性従業員が、在職中に女性であることを理由に昇格や賃金面で差別的な扱いを受けたとして、会社に対して差額の賃金や退職金、慰謝料などの損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告は、会社において、同一学歴の男性に比べてランクや昇給額、本給などで一貫して著しい格差をつけられ、女性であることのみを理由とする差別的取扱いは労働基準法や公序良俗に反し不法行為にあたると主張し、本来得られるべきだった賃金や年金等との差額等の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、原告の担当業務は定型的な補助業務であり困難度が低いことや、業務成果や協調性に欠けていたことから当時のランクや処遇は妥当であったと主張した。また、男女間の格差は、現業部門と管理部門の仕事内容の違いや、女性の平均勤続年数の短さなどの合理的理由に基づくものであると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、昭和石油時代から被告会社に至るまで、同一学歴の男性と女性の間で、ランク付けや昇給、本給において著しい格差が存在していたことを認定した。会社側の主張する業務内容の違いや勤続年数の短さなどの合理的理由は認められず、実質的に男女別の昇格基準や運用が行われていたと判断した。したがって、原告に対する差別的取扱いは故意または過失による不法行為に該当すると結論付けた。
この事件だけの事情
合併前の昭和石油時代からの長期間にわたる男女間格差の有無が争点となり、膨大な人事データや組合資料の分析を基に差別の存在が認定された。
結論
原告の請求が一部認められ、会社に対して損害賠償金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2003-01-29 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成6(ワ)4336 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索