退職処分取消請求事件
船内での喧嘩騒動の責任をとって退職願を提出した船員の原告が、後になって撤回を申し出たところ、会社側がこれを認めずに退職処分としたため、処分の取り消しを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告は、退職願は船長らに強要されて仕方なく提出したものであり、その後撤回する意思を伝えたにもかかわらず会社がこれを無視して退職扱いにしたのは違法であると主張し、処分の取り消しを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告側は、退職願は原告が自らの意思で提出したものであり、すでに後任の職員も採用されて出港した後に撤回を言い出すのは信義に反し許されないと主張し、退職処分は適法であるとした。
裁判所の判断
裁判所は、退職願の撤回を第三者を介して電話で伝える方法は確実性に欠け有効とは言えないとしたうえで、仮に有効だとしても、すでに後任を採用して航海に出た段階での撤回は信義則に反し許されないと判断し、原告の請求を棄却した。
この事件だけの事情
船員という特殊な勤務環境や、後任者の手配や航海のスケジュールに大きな支障をきたす時期の撤回であったことが判断に考慮されている。
結論
原告の請求が棄却され、被告側の退職処分が適法と認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1974-12-06 |
|---|---|
| 裁判所 | 宮崎地方裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 昭和47(行ウ)4 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索