依願退職処分取消請求事件
郵便局の職員が、脅迫行為などで懲戒免職になりそうなところを依願退職(自分の願いによる退職)を選んだものの、あとから何度もその退職願いの取り下げを求めたため、退職処分が有効かどうかが争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告(元職員)は、自分が提出した退職願いについて、あとから代理人や本人を通じて何度も取り下げの意思表示(撤回の通知)をしたため、その後の退職処分は無効であり取り消されるべきだと主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告(国側)は、原告が一度出した退職願いの取り下げを自分で再び取り消したことや、退職処分と懲戒処分(不祥事に対する罰)が密接につながっていることから、あとからの取り下げは信義則(信用の原則)に反して許されず、退職処分は有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、原告が退職願いの取り下げ自体を自ら撤回したことや、懲戒免職を避けて退職金が支給されるよう配慮された経緯を重視した。その上で、懲戒処分の効力が発生したあとに退職願いを撤回することは信義則に反して許されないと判断し、原告の請求を退けた。
この事件だけの事情
懲戒免職相当の非違行為に対し、退職金の支給や再就職への配慮として依願退職の手続きが進められた点や、退職願いの撤回と再撤回が繰り返された点に特殊性がある。
結論
被告の主張が認められ、原告の請求は棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1981-04-16 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 昭和53(行ウ)107 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索