退職承認処分取消等請求事件
自衛隊員が、反自衛隊活動をしていると疑われて長時間の執ような退職勧奨を受け、疲労困憊の中で退職願を出させられたとして、退職の承認処分の取り消しと損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告は、自衛隊内で反自衛隊活動に関与しているとの疑いをかけられ、上官らから長時間の監禁や暴行、脅迫を伴う違法な退職勧奨を受け、心身ともに追い詰められてやむなく退職の書類を書かされたと主張。退職の意思はなく、処分は違法であるとして、退職承認処分の取り消しと、国および関係者に対する損害賠償を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告らは、服務指導(職務上の指導)として適法に話し合いを行ったものであり、監禁や暴行、脅迫などの事実は一切ないと主張。原告は自身の意思に基づいて退職の申し出を行い、書類を作成したため、退職承認処分に違法性はないとして、原告の請求の棄却を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、一連の退職勧奨が長期間にわたり睡眠をほとんどとらせずに行われ、原告が激しい疲労と睡魔による苦痛の状態に乗じられて強迫されたものと評価できると判断。退職の申し出は取り消すことができるとし、退職承認処分を取り消した。また、国家賠償法に基づき国の責任を認めつつ、慰謝料と弁護士費用を合わせて一定の損害賠償を命じた。
この事件だけの事情
退職の意思表示が、違法な退職勧奨によって強迫されたものであるとして取り消しを認めた点や、長時間の面談や不当な状況を総合して相当性を欠くと判断した点が特徴的である。
結論
原告の請求が一部認められ、退職承認処分の取り消しと国に対する損害賠償の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1982-12-22 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 昭和50(行ウ)148 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索