被爆者援護法上の被爆者たる地位確認等請求控訴事件,同附帯控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成10年(行ウ)第60号)
海外に居住する被爆者が、被爆者健康手帳に基づく地位の確認や健康管理手当の支給、および国家賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、海外に居住しても被爆者としての地位や手当の受給権は失われないと主張し、国と自治体に対して地位の確認や手当の支払いを求めるとともに、違法な通達によって手当を打ち切られたとして国家賠償を請求した。
訴えられた側(被告)の事情
被告である国や自治体は、被爆者援護法などの法律は国内居住を前提としているため、海外に居住するようになった場合は当然に被爆者としての地位を失うと解釈すべきであり、これに基づく対応は適法であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、法律の条文上、日本国外への転出を理由に被爆者としての地位を失う明文の規定はないと判断した。また、健康管理手当についても海外居住を理由に一律に支給が除外されるものではないとしたが、当時の行政側には法解釈に関する一応の論拠があり、違法性の認識や過失は認められないとして国家賠償請求は退けた。
この事件だけの事情
海外居住の被爆者に対する援護法の適用範囲と、過去の行政通達に基づく国家賠償責任の有無が争点となった事例である。
結論
原告の請求の一部(地位の確認と手当の支払い)が認められ、国家賠償請求などは棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2002-12-05 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 平成13(行コ)58等 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索